案外知らない校章の豆知識

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案外知らない校章の豆知識



組み合わせの種類



日本には本当にたくさんの種類の紋章が存在しています。

企業のロゴマーク、家紋、階級などを表す紋章、そして校章。日本では、およそすべての企業や学校に紋章が備わっていると言われており、その組み合わせの多さは想像を絶するほどです。また、日本中の小学校、中学校、高校、専門学校、大学とそれぞれあると考えますと、かなりの数になります。 さて、そんな校章ですが、どのようなモチーフをもとにつくられているのでしょうか。

日本古来の紋章といえば、有名なものでは徳川家の「三葉葵」、真田家の「六文銭」、天皇家の「菊花紋章」などがありますが、主な種類としては「植物」「動物」「幾何」「文字」「建築」などがあげられます。特に、植物には一つ一つ意味があり、地位や家系などが密接に関係して選ばれていたと云います。

校章もその例にもれず、植物が由来のものが多く存在します。桜の花びらを模したものからはじまり、ケヤキの葉、桃、梅の花など様々です。また、海外にルーツを持つ多くの私立大学などではギリシャ神話、ローマ神話などに登場する神話的な生物が登場することもあります。ほとんどのものが文字を中心に据える形式をとっており、その中でもおおまかに二種類に分類することができます。「学」「高」「中」など学校に関係する文字を入れるもの、「S.C」「桜」「明正」など学校名の短縮形を入れるものに加え、例外的に文字が入っていないものも存在しています。

津田塾大学と言えば、日本を代表する私立女子大として有名ですが、実は校章が存在しないことで知られています。それだけでなく校歌、校旗などもなく、これは創設者である津田梅子が自主性を重んじたことが理由だと言われています。津田塾大学にはこの他、創設者の銅像などは一切ないというような特徴もあります。



歴史と起源



いまやどこでも見ることのできる校章ですが、その起源はいつまで遡るのでしょうか。

紋章そのものは、非常に古い時代から存在していることがわかっています。多くの有名な家系が持つ「家紋」は時代をかなり遡入り、平安時代の貴族たちが自分たちの牛車に好きな紋様を描いて、ほかの牛車と混同しないようにしていたことがはじまりと言われています。その後、武家に広まり、やがてそれぞれの旗などに記すようになっていきました。

世界的にも多くの紋章が存在し、特に欧米においては「紋章学」という学問にまで発展しています。この中では多くの説が唱えられてきましたが、その中でも戦争時、甲冑を着ているのが誰なのかわかるように紋様を記し始めたことが、欧米における紋章の起源とされています。

では、こうした紋章が学校にも使われ始め、校章として登場したのはいつでしょうか。このことを考えるには、日本の学校の歴史を知る必要があります。

日本で近代教育が導入され、近代的な学校が始まるのは明治維新後の明治五年からです。明治政府は富国強兵に向けて文科省を設立し、模索しながら様々な教育制度を整えていきました。しかし、こうした近代的な学校が設立される以前にも、学校は存在していました。それは寺子屋、そして藩校です。そして、後者の藩校は、現在でも有名な学校の前身となっています。名前も受け継いでいる有名な高校としては、福岡の「修猷館」「伝習館」などが存在しています。さて、こうした藩校には、昔からその藩校を設立した藩主の家紋が瓦などに使われていました。そして近代学校となったあとに制定された校章には、それらを意識したものが多く存在します。ですが、どのタイミングで家紋から移行したかについては不明です。多くの学校が自校の校章の由来について記録していますが、その中では、大正、明治まで遡るものも存在しています。ただ、法律的に必要と定められたことがない以上、明治時代にいくつかの学校がはじめた取り組みが、大正、昭和の中で一気に日本全国に広がったと考えるのが妥当かもしれません。

現在でも、学校の当併合などを機に新しい校章がつくられていますし、自分たちオリジナルの紋様をつくる需要などもあります。オリジナルの紋章をバッジとして製造できるサービスも多く存在し、新しい紋章の未来がつくられています。



面白い由来



ここまで、種類や歴史などについて説明してきましたが、実はその由来にはそれぞれ非常に面白い歴史が存在します。今回は、有名な大学の校章の由来をまとめてご紹介します。

まずは、東京大学です。東京大学の校章は「銀杏」の葉が重ねられたものとして有名です。しかし、実はこれは校章としてずっと定められてきたものではなく、昭和23年に「銀杏バッジ」として作られたものに過ぎませんでした。それを2004年の国立法人化に伴い、初めて「東大マーク」として修正を加えて現在のかたちとしたのです。なお、このデザインは東京大学にある銀杏並木をイメージしてつくられたと言われています。

次に、立命館大学です。立命館大学の校章は、なんと1913年すなわち大正2年に制定されています。この当時のものは「立命」という漢字を立てにならべてハンコ風にデフォルメしており、何度か修正が繰り返されながら今日までずっと受け継がれています。なお、付属の中学・高校はそれぞれ、同じようなデザインの中心にそれぞれ「中」「高」の文字を入れたデザインになっています。

こうした校章の取り扱いは大学においては特に大きく展開されており、様々な加工品として製造・販売されていることで知られています。例えば、九州大学は校章入りのネクタイピンなど様々なグッズを製造し、記念品として販売しています。

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